ツバキ

・つばき 椿
・椿(つばき)科。
・学名 Camellia japonica(薮椿)
Camellia japonica var. decumbens(雪椿)
Camellia vernalis(春山茶花)
Camellia : ツバキ(カメリア)属
japonica : 日本の
decumbens : 伏した
vernalis : 春の
ツバキ(椿)は、ツバキ科ツバキ属の植物、学名Camellia japonicaであり、日本原産の常緑樹。野生種の標準和名はヤブツバキ。国内外でヤブツバキや近縁のユキツバキから作り出された数々の園芸品種、ワビスケ、中国・ベトナム産の原種や園芸品種などを総称的に「椿」と呼ぶが、同じツバキ属であってもサザンカを椿と呼ぶことはあまりない。
照葉樹林の代表的な樹木。花期は冬から春にかけてにまたがり、早咲きのものは冬さなかに咲く。「花椿」は春の季語であるが、「寒椿」「冬椿」は冬の季語。海柘榴とも表記する。

・開花時期 1/20頃~ 5/10頃

・誕生花 1月12日、2月14日、12月10日

・花言葉 贅沢、おしゃれ、至上の愛らしさ、 謙遜の美徳

花が美しく利用価値も高いので万葉集の頃からよく知られたが、特に近世に茶花として好まれ多くの園芸品種が作られた。美術や音楽の作品にもしばしば取り上げられている。
18世紀にイエズス会の助修士で植物学に造詣の深かったゲオルク・ジョセフ・カメルはフィリピンでこの花の種を入手してヨーロッパに紹介した。その後有名なカール・フォン・リンネがこのカメルにちなんで、椿にカメルという名前をつけた。19世紀には園芸植物として流行し、『椿姫』(アレクサンドル・デュマ・フィスの小説、またそれを原作とするジュゼッペ・ヴェルディのオペラ)にも主人公の好きな花として登場する。和名の「つばき」は、厚葉樹(あつばき)、または艶葉樹(つやばき)が訛った物とされている。
「椿」の字の音読みは「チン」で、椿山荘などの固有名詞に使われたりする。なお「椿」はツバキとは無関係のセンダン科の植物チャンチン(香椿)の意味で使われることもある。

・水路の落椿
ツバキの花は花弁が個々に散るのではなく、多くは花弁が基部でつながっていて萼を残して丸ごと落ちる。それが首が落ちる様子を連想させるために入院している人間などのお見舞いに持っていくことはタブーとされている。この様は古来より落椿とも表現され、俳句においては春の季語である。なお「五色八重散椿」のように、ヤブツバキ系でありながら花弁がばらばらに散る園芸品種もある。
また、馬の世界においても落馬を連想させるとして、競馬の競走馬や馬術競技馬の名前としては避けられる。特に競馬では、過去にはタマツバキの様な名馬もいるが、1969年の第36回東京優駿(日本ダービー)で大本命視されたタカツバキが、スタート直後に落馬で競走中止するというアクシデントを起こして以降、ほとんど付けられることがなくなったとされている。
武士はその首が落ちる様子に似ているというのを理由にツバキを嫌った、という話もあるがそれは幕末から明治時代以降の流言であり、江戸時代に忌み花とされた記述は見付からない。1600年代初頭には多数の園芸品種が流行。1681年には,世界で初めて椿園芸品種を解説した書物が当時の江戸で出版される。
歴史的な背景として、日本では733年「出雲風土記」にすでに椿が用いられている。その他、多くの日本の古文献に出てくる。中国では隋の王朝の第2代皇帝煬帝の詩の中で椿が「海榴」もしくは「海石榴」として出てくる。海という言葉からもわかるように海を越えてきたもの、日本からきたものを意味していると考えられる。榴の字は、ザクロを由来としている。しかしながら、海石榴と呼ばれた植物が本当に椿であったのかは国際的には認められていない。中国において、ツバキは主に「山茶」と書き表されている。「椿」の字は日本が独自にあてたものであり、中国においては椿といえば、「芳椿」という東北地方の春の野菜が該当する。

上記のように、日本において広く見られる野生のツバキはヤブツバキであり、植物学上はこの名で呼ばれる。ただし、標準和名としてツバキの名を採用した例もある(北村・村田(1979))。

・特徴
常緑性の高木。普通は高さ5-6mだが、樹高18m・胸高直径50cmにも達する例も知られる。ただしその成長は遅く、寿命は長い。樹皮はなめらかで灰白色、時に細かな突起がまばらに出る。
枝はよくわかれる。冬芽は線状楕円形で先端はとがり、円頭の鱗片が折り重なる。 鱗片の外側には細かい伏せた毛がある。鱗片は枝が伸びると脱落する。
葉は互生、長楕円形から広楕円形、鋭尖頭(先端が突き出す)で葉脚は広いくさび形、縁には鋸歯が並ぶ。葉質は厚くて表面につやがあり、濃緑色で裏面はやや色が薄い。

・分布
日本では本州、四国、九州、南西諸島から、それに国外では朝鮮半島南部と台湾から知られる。 本州中北部にはごく近縁のユキツバキがあるが、ツバキは海岸沿いに青森県まで分布し、ユキツバキはより内陸標高の高い位置にあって住み分ける。

・分類
琉球列島から台湾のものをタイワンヤマツバキ、あるいはホウザンツバキ C. japonica subsp. hozanensis (hayata)としたこと、あるいは屋久島のものは果実が大きく果肉が厚いことからリンゴツバキ var. macrocarpa Masamune として分けたこともあるが、それぞれに中間型もあり、分けないことも多い。
ユキツバキは種内変異として変種ないし亜種とされたこともあるが、別種との扱いもある。

・花色と品種

<色>
白斑
星斑、雲状斑、横杢斑
覆輪
白覆輪、紅覆輪、底白
絞り
吹きかけ絞り、小絞り、縦絞り、紅白絞り

<花形>
・一重咲き
猪口咲き
筒咲き
抱え咲き
百合咲き
ラッパ咲き
桔梗咲き
椀咲き
平開咲き

・八重咲き
唐子咲き
八重咲き
千重咲き
蓮華咲き
列弁咲き
宝珠咲き
牡丹咲き
獅子咲き

・大きさ
極大輪(13cm以上)
大輪(10~12cm)
中輪(7~9cm)
小輪(4~6cm)
極小輪(4cm以下)

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